ブログでゲーム開発の学習は悪くはないが断片的な知識になる危険性も

ブログだけでゲーム開発の学習をするのは断片的な知識になる危険性も

インターネットで検索すればゲーム開発に関する知識は手に入ります。しかし、そこにはある危険も。

それは、断片的な知識になりがちだということ。

ゲーム作りのテクニックを紹介している技術ブログは数多く、とてもありがたいことなのですが、初学者がこうしたブログだけで勉強するにはちょっと厳しいのです。

学習の大事なポイント

ゲーム開発やプログラミングに限らず、学習する上で大事なのは、全体像を掴むこと。全体としてどのような知識が関連していて、自分は今どのポイントを学習しているのかを知ることはとても大切です。

断片的な知識だけを拾っていくのは、地図がないのにおすすめスポットの写真だけ持っているようなもので、そこに素晴らしいスポットがあることは知っているけど、どのようにたどり着いたら良いのか分からない状態です。

まずは地図を手に入れることが先決です。そして自分がどの位置にいるのかも地図で確認すると良いでしょう。

例え話では地図でしたが、学習する上では体系的にまとめられた知識に相当します。

体系的にまとめられた知識

体系的にまとめられた知識としてわかりやすいのが、入門書です。Unityを使ったゲーム開発でも、何冊も入門書が発売されています。一番有名なのはいわゆる「和尚本」でしょうか。

こうした入門書を使って学習を進めるのが一番効率が良いです。初学者でも分かるように書かれているからこそ、入門書なのですからね。

入門書なので、これだけで完全マスターとはいきませんが、それでもゲーム開発に必要な知識が広く手に入ります。どんな知識や分野が広がっているかを知ることで、そこに知識を加えていきやすくなります。

入門書ではゲームエンジンの操作方法についても分かりやすく書かれているので、基本的な操作に慣れることで、その後の作業効率が上がっていきます。

ブログは個別の戦術書

全体像を掴んでから技術ブログなどを使って個別の戦術を身につけていくと良いでしょう。その技術、テクニックの位置付けを知り、なぜ著者はこのテクニックを身につけたのかを考えることで、自分のゲーム作りに生かすことができます。

入門書では「これをすべき、ここはこうしよう」みたいな方針を身に付けることができます。例として実装方法を提示されていることもあります。

こうした方針に対して、実装方法はひとつではなく、複数の方法が存在します。どれかひとつが正解ということは少なく、前提条件が異なっていたり、制約があったりと、環境に合わせた実装方法を知ることができるのが技術ブログです。

逆にいうと、その記事を書いた著者が想定している前提条件を知らないと、せっかくのテクニックが生かせないことにもなります。全体像を知らないとこの前提条件についても思い至らないので、初学者にはちょっと難しいんですね。

ではチュートリアルは?

チュートリアルは、方針やテクニックを教えるだけではなく、実践してもらうことに重きをおいています。高校数学で言うところのチャート式のような位置付けです。問題の解き方まで詳しく載せてある自習用の教材ですね。

一口にチュートリアルと言っても、作成した人によってカバーしている範囲は異なります。技術ブログでみられる特定のテクニックを実践できるように手順と解説を加えたものもありますし、このサイトで掲載しているようなゲーム作りの最初から最後までを通してチュートリアルとしてまとめているものもあります。

入門書も形態が書籍であるだけで、「実際にこうしてみましょう」という手順が載っていますから、実はチュートリアルの一種なんです。

得た知識は使わないと身につきません。チュートリアルでは、知識+作業手順を伝えることで、実際に手を動かしてやってもらう構造になっています。なので、知識を与えっぱなしにはならないようになっています。

高校時代の数学の授業を思い出してみてください。先生が公式を紹介して、その公式を使った例題を一緒に解いていませんでしたか? 例題を解くのがとても大切な部分で、得た知識の使い方を示しているんですね。なので、それを参考に生徒は練習問題をどんどん解いていけるようになります。

初心者はどの情報に触れるべきか

書籍、ブログ、オンライントレーニング、プログラミング教室など、ゲーム作りを学習できる手段はたくさんあります。初心者はどれに触れるべきでしょうか。

個人的なおすすめとしては、まずはじめに入門書に触れてみるのがいいと思います。もしUnityであれば、Unity公式で公開しているWeb上のチュートリアルに挑戦してみるのも良いでしょう。

最初に触れたいのは体系的にまとめられた知識。そのため、入門書や公式のチュートリアルが良いと思います。

入門編を終わらせたら、自分でゲームを作っていき、足りない知識をまた調べて補強していくのが良いですね。この段階であれば、うちのチュートリアルを使ってゲームを最初から最後まで、ソースコードも解説付きで公開しているので、流れを掴みつつ、実装の例も確認できます。

ゲーム作りやその大事な要素であるプログラミングを学習する場合は、理想を言えば様々な本やチュートリアルを試してみるのが良いです。1冊読んだら終わりではなく、どんどん知識を吸収し、それを自分のゲームで使って、また分からないことを調べて……と成長のスパイラルに乗るのが理想です。

学習の過程では、自分で手を動かすことも大切なので、得た知識はどんどん使っていきましょう。

本を買うのはお金がかかる

ゲーム開発をやり始めた当初は、「無料で知識を得られるならそれでいいじゃん!」という気持ちでした。なので、ブログを全力で読み漁っていました。(当時いた会社がブラックすぎて、スクールなどに通う時間がなかったというのもありますが……)

それはそれで知識が身についてきたのですが、ある時勇気を持ってUnityの入門書を買ってみたらびっくり、長い時間をかけてブログから読みとった知識が、あっという間にまとめて手に入ったんです。

時間をかけるか、お金をかけるか、というのは人間が誰しも悩む部分だと思いますが、この記事を読んでいるあなたは忙しい社会人だと思うので、どちらが自分にとって大切かを考えるのも判断のポイントになると思います。

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