ゲームを完成させるのが大切なのでクソゲーでもいいから作ろう

ゲーム開発を始めた人にとって最初の関門となるのがゲームを完成させること。企画して、設計して、開発して、テストして、ゲームをビルドする、この流れを1度通して経験するのが大切なのですが、開発の部分で心が折れるケースは多々あります。

心が折れる原因としてよくあるのが、「すごいゲームを作りたい!」という願望です。思い描いているゲームの姿と、実際に目の前でテストプレイしているゲームの姿があまりにもかけ離れていて、「あれ? 自分には無理かも……?」なんて思ってしまって、遥か遠い理想との乖離にめまいがしてしまうのです。

この場合の対処策として私から提案できるのは、「クソゲーでもいいからゲームを1本完成させよ」です。

ステージの左から右まで歩くだけのゲームでもいいので、まずは1本完成させてください。

完璧主義を捨てよ

今現在ゲームをリリースしている人たちでも、多くの人は「超すごいゲームをリリースしたい!」という野望を持ってゲーム開発を行い、おそらく壁にぶつかってきたことと思います。FFのようなゲームとか、デビルメイクライのようなゲームとか、すごいゲームが世の中にあふれているので、自分でも作りたいと思うのは自然なことです。

しかし、誰もが最初からそうしたゲームを作れるはずもなく、自分に今できることをゲームに盛り込んで、ゲーム作りを続けながら技術を磨いてきたことで、超すごいゲームを作れるようになったのです。

最初に作ったゲームがメガヒットして億万長者になる妄想は誰もがすると思いますが(私もしました)、それは宝くじを買って1等を当てるようなもの。

まずは自分にできる範囲でゲームの形を作り、そこからフィードバックを得て改善していくのがベストです。

この「自分にできる範囲」というのがポイントで、自分の理想とする姿が遠くても、「ゲームが完成した」と区切りをつけるのが大切です。「リリースして億万長者に!」と意気込みすぎると「完成した」と言うのが怖くなるので、まずは自分が遊ぶためにPC向けにビルドしてみることをゴールにしましょう。

クソゲーでもいい。だって最初だもの

人生で初めて書いた小説がノーベル文学賞を獲得する。

人生で初めて描いた絵がオークションで1億ドルで落札された。

……なんてことありませんよね。誰だって最初は小さな一歩から始めたんです。人には見せられないような拙い文章、拙い絵でも、どんどん続けていくからこそ技術が磨かれるのです。

ゲーム作りでも、誰にも見せられないようなクソゲーを作ったっていいんです。友達に見せることすら躊躇われるようなゲームだってあなたが時間をかけて作った大切なゲームですし、いつか作る大作のための第一歩です。

クソゲーでもいいからゲームを作ってみましょう。

ここでいうクソゲーとは、ボリュームが少ない、プレイ時間が短い、遊べる要素が少ない、でもゲームの形をしているもの、といった意味合いで使っています。

わざと酷いゲームを作れと言っている訳ではなくて、短いスパンで作成できるゲームを作ってみよう、と言いたいのです。

ゲーム作りだってPDCAサイクル回せる

社会人のあなたは当たり前のようにPDCAサイクルを回して業務を改善していっていると思いますが、この考え方はゲーム作りでも使えます。

ゲームを企画・設計し(P)、実際に開発してみて(D)、その中で気付いたことや学んだことを振り返り(C)、次のゲーム作りにそれを生かす(A)、というサイクルをどんどん回していきましょう。

「大作ゲームを作った方がたくさん学べるのでは?」という意見もあるかもしれませんが、フィードバックを得てそれを盛り込むのが大切なので、なるべく早くCやAにたどり着けるように、小規模のゲームを作ることをおすすめしています。

なぜなら、人間の脳は始まりと終わりで区切ることで物事を認識しやすくなっているためです。ゲームA、ゲームB、ゲームCと区切ってゲームを作っていった場合、「これはゲームAで実装した機能だ」「この機能はゲームBで導入して、ゲームCでブラッシュアップしたな」といった具合にエピソードが思い出しやすくなるんですね。

逆にずっとゲームAを作り続けている場合、「ゲームAの……どのあたりで作った機能だっけ?」とぼやけた思い出し方になります。

会社での仕事でもありませんか? 長期のプロジェクトだと細かい内容をあまり覚えていないけど、小規模のプロジェクトだったら案外細かいことまで覚えているなんてこと。

例えば小規模のゲーム作りを3回繰り返すと、企画フェーズを3回、設計フェーズを3回、開発フェーズを3回、テストのフェーズを3回、ビルドのフェーズを3回繰り返すことになります。逆に大作ゲームを作った場合は、各フェーズに触る回数は1回です。開発フェーズだけやたら長くなりますが、それでも1回は1回です。

人間の脳が記憶すべき対象として認識するためには、反復が大切です。何回も触れる情報は「大切な情報」と認識して記憶に残りやすくなるためです。このことから、小規模なゲームを作って改善していく方が記憶に残りやすく、ひいては技術の向上をしやすいのです。

ゲームを作った数は自信にもなる

あとはゲームを作った本数はあなたの自信にもつながります。

「ゲームを1本作ったことがあります」と「クソゲーもありますけど10本作りました」ではあなた自身の印象も変わるでしょうし、聞いた人の印象も変わります。

私の場合はUnityを使う前はRPGツクールを使って2, 30本作っていたので、ゲームを作り始めても完成させられる自信が身につきました。

「量」と「質」の問題はいつもついて回りますが、個人的には「量」をこなすことをおすすめしたいです。「量」をこなす上で、改善していくことで最終的に「質」につながりますからね。

という訳で、この記事を読み終わったら早速Unityエディタを開いて、小規模のゲームを作ってみてください。

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